デザイン・雑学

プラチナじゃない!プラチナ100?

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プラチナとつくのにプラチナじゃない素材、プラチナ100にご注意

金胎陶芸アクセサリーブランドhitotoi(ひととい)の犬塚です。

 あ、このリング安い!プラチナで1万円だって! そんな時はお気を付けください。pt100と書いてありませんか? 

実は、プラチナ100(pt100)はプラチナジュエリーではないのです! 

100%だからプラチナでしょ?って思わすためのミスリードとして使っている場合もあるのです。 

今回も前回に続いて、知っているとちょっと楽しい貴金属の成分についてのお話しです。 

プラチナ100(pt100)とは

 まずはじめにシルバー925の話を思い出してください。 

シルバーはの合金は1000分率で表しますので925は92.5%シルバーである合金です。これはプラチナについても同じで、プラチナはpt900やpt950が一般的です。 

ではそのことを踏まえるとプラチナ100(pt100)は・・・・ 

プラチナを10%含んだ合金という事になります。

 100って書いてあるから100%だと一瞬思いますよね? 

では残りは何かというと・・・・ 銀です。 残りの90%が銀なのです。

つまりプラチナ100(pt100)は正確にはプラチナを含んだ銀合金(シルバー900)という事になります。 

詐欺目的??

 そうかというと、そうでもなかったりします。 

銀は変色しやすい貴金属です。特に火山が多い日本では、空気中の硫黄成分が多いため他の国より変色しやすい傾向にあります。 それに対してプラチナはほぼ変色しません。 

また、プラチナは色味も若干黒っぽい?感じで、重さもシルバーに比べると倍ぐらい重いです。 

そういったプラチナの良さを何とかシルバーに組み込もうと、貴金属の配合は日夜研究されています。

その一つの結果がプラチナ100なのだと思います。

ですので、一概に詐欺目的の金属だとしてしまうのは良くないと思います。金属自体は全く悪くないのです。 

騙す気満々の店もあるのでご注意を

 一概に騙すためとではないと書きましたが、商品説明に プラチナ合金ならではの・・・、プラチナならではの・・・、プラチナ合金の一種で・・・などの表記をして売っているところは、確実に騙す気があるのではないのかと疑ってしまいます。

 良心的なお店だとよく見えるところに、 銀90%残りの10%にプラチナを使った・・・ などときちんと銀合金であることを明記しているところも多いです。 

なぜそんな紛らわしい名称を使うの?

 これに関しては推測の域を出ないのですが、先ほどの合金開発の話がかかわってくると思います。

変色しない銀を発明したら億万長者だよ。と言われるくらい銀は変色がネックになっています。そしてそれを何とかしようと多くの企業などが日夜研究をしています。 

その成果として、プラチナシルバー(プラチナやパラジウムを含有)やイエローシルバー(黄色っぽい色が特徴)などが開発されています。 

その過程でプラチナを10%含んだ金属を開発した企業?などがプラチナ100という名称でその金属を出したため、それが業界内での一般名詞になってしまったというところではないでしょうか。 

責めにくい内情

合金は基本的には含有量の多いものの合金と表示されます。 

しかし、プラチナに関する記事でお話しした通り、プラチナは1グラム3,500円くらいします。それに対して銀は65円くらいです(記事執筆時の参考価格)。 

では5グラムのプラチナ100の金属の価格は 

銀 65 x (5×0.9) = 約293円 プラチナ 3500 x (5×0.1) = 約1,750円 と、大きく銀の価格を上回っているのです。プラチナが5,000円くらいした時ならなおさらです。 

ここまで金額が違うと、プラチナという言葉を使いたくなる気持ちはわかりますよね。 

プラチナ100のまとめ

 以上から

プラチナ100はプラチナ合金ではなく、プラチナを10%含んだ銀合金である。

プラチナ100は銀の欠点を克服しようとした、企業努力の末生み出されたものである。

プラチナ100は、銀製のジュエリーよりもかなり原価がかかるため、プラチナ100を扱っている店は安物をだまして売りつけようとしている、とはやはり一概に言えない。

でもやはり騙そうとしてる店もあるような気がする。
(大人なのでにごします) といったまとめになります。 

名称に関しては思うところがありますが、素材にはそれぞれ良さがあり、プラチナ100にはその配合比でなければ出ない良さがあります。 

そういった良さを皆さんと共有するために、プラチナ100を使っているというブランドもあり、プラチナ100=ダメだとは思わないでいただきたいというのは、最後に言わなければならないと思います。

いかがでしたでしょうか?私の知識が少しでも皆さんの人生を豊かにする足しになったともっていただけると、とてもうれしいです。

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それではまた。