デザイン・雑学

プラチナジュエリーが高い本当の理由

hitotoi(ひととい)-platinum-diamonds-ring

高いのにはきちんと理由があります!プラチナジュエリーの内情。

こんにちは、金胎陶芸アクセサリーブランドhitotoi(ひととい)の犬塚です。

プラチナジュエリーって憧れますよね。高いのが難点!でも、金より高い貴重な金属使っているんだからしょうがないよね。って思っていませんか?

ちょっと知っている方なら、今、金ってプラチナより高いんでしょ?なんでプラチナジュエリーって高いの?って思っているかもしれません。

でも、実は価格差は原材料の金額だけでは簡単には決められないのです。じゃあ何?っていうところを今回はお話しします。

プラチナって高いの?

確かにプラチナは、ジュエリー用貴金属として優秀な素材である上、貴重で高価な材料です。参考までに現在の価格は1gで

プラチナ:3,238円

金:5,327円

です。(あくまでご参考までに)

さっき言われた通り、プラチナより金のが高くない?と思いましたよね。そうなんです。現在金とプラチナの価格は逆転しています。

それでも、銀の価格が現在約60円くらいだいといえば、逆転していてもプラチナがいかに高いかわかると思います。

基本的にここ20年くらいで見ると、プラチナは金の約1.5~2倍程度の価格でした。その当時であればプラチナが高いのは当たり前となりますが、ここ数年は金がプラチナよりも高い状態が続いています。

じゃあなんでプラチナのほうが高いの?と思いますよね。その秘密はプラチナの属性にあるのです。

意外と知らない貴金属の重さ

ジュエリーの価格を決めるのに確かに重要なのは、地金の金額です(宝石の乗っていないプレーンなものであればの話ですが)。

仮に指輪を作る地金代が金だと約1万円だとしたら、プラチナで作ると、今の地金の価格比で約6割の6千円くらい?と考えるかもしれません。しかしそんな簡単ではないのです。

ここで重要になってくるのが比重です。比重ってなんだっけ?とういう方もいると思いますので、計算は省きますね。

金の比重は約19.3、プラチナは約21.4です。銀の比重が約10.5くらいなので同じ形でも銀の指輪とプラチナの指輪では約倍くらいの重さになります。

hitotoi(ひととい)-square-ring

こちらはhitotoi(ひととい)の金胎陶芸リングですが、すてきですね。自信を持ってお勧めします!!(笑)ではなく、こちらのリングを金とプラチナで作りなおしたと仮定すると、

比重から

プラチナ:約5.1g

金:約4.6g

となります。

これに地金価格を掛けると

プラチナ:約16,500円

金:約24,500円

です。

プラチナの地金の金額が金の6割くらいだったのが、比重を計算に入れると約7割くらいに縮まりました。

でも、まだプラチナのほうがだいぶ安いですよね。それは、一つ見落としていることがあるからなんです。

ジュエリーは純金属を使わない

純金のジュエリーもあるにはありますが、純金や純プラチナは柔らかすぎて実はジュエリーには向いていないのです。

そこでジュエリーでは合金にして使います。細かいことは省きますが一般的によく使われる18金(75%金)とpt950(95%プラチナ)で考えてみましょう。

合金の割りがね(混ぜる金属)の価格を無視した場合、地金価格は

プラチナ(pt950):3,076円

金(K18):3,995円

です。

さらに、比重も変わってきて

プラチナ(pt950):20.4

金(K18):15.4

になります。

この二つから先ほどのリングを計算すると

プラチナ(pt950):約4.88g 約15,000円

金(K18):約3.68g 約14,700円

になります。

ほぼ同じになりましたね!

まだまだある。細かな理由

まだほとんど同じじゃないか!と思われるかもしれませんが、先ほど無視した割りがねも金は大体銀、銅あたりですがですが、プラチナはルテニウムやパラジウムというプラチナ族の金属も使いますので割りがね自体も高価になります。

そのほかにも、プラチナのほうが磨くのが難しい(人件費はどの分野でも高いですよ)、ヘリ(回収できない磨きなどでなくなってしまう金属)もプラチナのほうが比重が高い分重く(=無駄が多く)なる、その他経営上のことなどなど・・・

色々と含めてやはりプラチナは高くなってしまうという事です。

最後のほうは釈然としないかもしれませんが、細かいことを話すと長くなりますし、計算もすんなりとはいかないため、割愛しました。

価値は物の価格だけではない

さてここまで、金属の市場価値からジュエリーの金額を見てきました。

しかし、ジュエリーにしろアクセサリーにしろ、金属を体に付ければいいというものではありません。

デザイン、職人の技、そのジュエリー・アクセサリーに込められたストーリー、そしてお客様の想いと体験・・・などの多くの事が付け加わり価値が決まっていきます。

素材価格が高い=価値が高いではありません。持ち主にとって価値があると思えるものが価値があるものです。

hitotoi(ひととい)の金胎陶芸ジュエリー・アクセサリーはそういった人の心に寄り添い価値を作っていくブランドでありたいと始めました。決して高価な素材は使っていませんが、価値のある商品を作っている自負しています!

とはいえ、トップ画像の作品(私のデザインしたものです)のようなプラチナやダイアモンドを使ったジュエリーもオーダーで作っていますので、興味がありましたら是非お声がけください。

最後に、自分の宣伝みたいになってしまいましたが、いかがでしたでしょうか?プラチナの重さや比重だけでも、よくよく考えてみると結構楽しいですよね。

私の持っている知識が皆さんの役に立てたのであれば、うれしいです。

ロンドンでデザインを学び、最終的に日本の工芸品に行きついた、犬塚が作るhitotoiの作品は、オンラインでもご覧いただけます。

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それではまた。