デザイン・雑学

銀製なのにシルバーと表記できない?!

イギリスでは銀製品なのに銀と表記できない場合があるんです!

こんにちは、金胎陶芸アクセサリーブランドhitotoi(ひととい)の犬塚です。

今回はジュエリーになくてはならない素材、“貴金属”の表記や刻印などについて、イギリスでの経験をお話ししたいと思います。

ちなみに上記写真は私のロンドン在住時のアトリエからの夜景です。アーティストがよく集まるとても危険な地域にあったアトリエですが、夜景はとても良かったんですよ。

刻印とは?

ジュエリーなどにSILVER、925、K18YG、pt900などの模様が打ち込まれているのを見たことがあると思います。これを刻印といいます。そのジュエリーに使われている材料を表しています。

上記の例だと銀、銀、18金イエローゴールド、プラチナ900です。

さらに、素材だけでなくメッキの種類や石の重さなども刻印されていたりします。メッキはK18GPなど、目方は1.09などの数字で表されていたりします。

金やプラチナは表記は大体一緒ですが、銀についてはSILVERや925、950、STERLING等があります。なぜかというと刻印は義務ではなく、こうではなければいけないと決まっていないからです。

ですので、作っている会社や個人が自由に押すことができます。

stamp

上の写真は刻印を打つための道具と刻印サンプル。打刻用のツールも形、大きさなどいろいろあります。一番上のはイギリスで購入したもの。

ホールマークとは?

それに対してホールマークはそれぞれの国が定めたルールがあり、造幣局に製品をチェックしてもらい、使っている素材の刻印を押してもらいます。

ホールマークは国によって違いがあり、それぞれの国独自のルールがあります。そして最も大切なのが義務か任意かです。

日本ではホールマークは任意です。ですのでそれぞれの会社などが自由にジュエリーに刻印を打つことができます。

これに対してイギリスではホールマークは義務です。ですので例えば銀製品に勝手に刻印を押しシルバーの商品として売ることはできません。

このように刻印一つでも国によって色々とちがいがあるのです。

イギリスのホールマーク

ホールマークの打刻までの一連の流れを説明します。

まずASSAY Officeといわれる検品をしている国の機関に登録します。その時にSPONSOR’S MARKという自分を表すマークも登録します。この登録するのにも登録料がかかります。

登録が終われば後は刻印をうちたい商品を持っていき、書類に記入して提出します。提出された商品はASSAY Officeの検査を経て問題がなければ刻印を押されて帰ってきます。

ここで品位的にダメなものはつぶされて戻ってくると同僚に聞いた記憶があります。ちょっと怖いですね。

刻印を押す金額は700円から1,500円くらいだった気がします。1ポンド200円ぐらいの時期だったので今だとだいぶ安いですね。

ロンドンで働いていた時は出来上がった商品をシルバーの安価なものからプラチナの高価なものまですべてASSAY Officeで刻印を打ってもらっていました。

日本では任意であるため、高級商品で品位を証明したいという場合以外は高額品でもホールマークが打ってないことが多いですね。

hallMark

画像は見にくいですがホールマークの例です。ロンドンのASSAY Officeのマーク、プラチナ950、私のマークなどが刻印してあります。

ホワイトメタルとは?

卒業制作時に卒業カタログについてのミーティングをクラスメイトとしていた時、カタログ担当から「ASSAY Officeに登録してる?ASSAY Officeの刻印が無い場合、シルバーと表記できないからホワイトメタル表記になるよ。早めに言ってね」と言われ、初めて義務であることを知りました。

当時まだ登録などしていなかったため、私の卒業制作のページにはホワイトメタルと表記してあります。銀なのに・・・

ここまで書いてきて思ったのは、イギリスのハンドメイドサイトなどはどうなっているんでしょうね?ホールマークを打つのに費用が掛かるためその分金額が高くなります。そのため、日本のように個人が安く作って出すという事がしにくい気がします。

この辺りの事情は、はまた少し調べてみようと思います。

最後に

刻印とホールマークについて書いてきましたが、書いていくと意外ともっと説明が必要なことがあることに気づきました。金や銀の品位、メッキ、宝石の目方、最近出回っていた怪しい表記の刻印など、まだまだ色々とあります。

今回は刻印とホールマークについてのお話しなので、そのあたりについてはまた次回以降書いていこうと思います。

いかがでしたでしょうか?

少しでもジュエリーの面白さをお伝えできたら幸いです。

ロンドンでデザインを学び、最終的に日本の工芸品に行きついた、犬塚が作るhitotoiの作品は、オンラインでもご覧いただけます。

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それではまた。